― 2025年10月から酒類にも表示を義務化 ―〈ゼネラル・マネージャー 中村芳子〉◆ オーガニックとJAS法ワインに限らず、日本国内でオーガニックとして販売するためには、有機農産物などは2001年4月から、有機畜産物などは2020年7月から認証事業者による有機JASマークが必要とされています。酒類は2022年10月のJAS法改正で管轄がそれまでの国税庁から農林水産省に変わったことで、有機表示規制が他の農産・畜産・加工食品同様、JAS規格の対象としてJAS法に一本化されることになりました。◆ 酒類もJAS法の対象に国税庁管轄のもとでは “Organic” など諸外国の有機表示がある輸入ワインは「有機ワイン」として日本市場に流通させることができました。しかし、農林水産省の管轄下で2025年10月以降、生産国と日本との国家間で有機同等性**が認められている場合であっても、日本の有機JASマークがなければ、オーガニックワイン、有機ワインといった表示はできないこととなりました。但し、2025年9月30日以前に通関された物は、10月1日以降の流通・販売においてもその対象ではありません。◆ 現状と今後ヴィレッジ・セラーズが取扱うワインのブドウはそのほとんどがオーガニック栽培、あるいはサステイナブルな農法で栽培されています。醸造においても自然酵母による発酵、澱引きを減らす、無濾過・無清澄、亜硫酸の使用は最小限など人的介入を極力減らした、いわゆるナチュラルなアプローチをとる生産者も多いです。しかし、ヴィレッジ・セラーズではこれまで、オーガニックやナチュラルを特別前面に出すことなく販売してきました。また日本における有機JASマーク同様、それぞれの国でも認証を取得するためには、それなりの経費がかかるため、「有機栽培をしているけれども、認証は取っていない」「認証は取っているがマークをラベルに印刷していない」という生産者も数多くいます。ヴィレッジ・セラーズでは、2025年10月以降もこれまで同様、「有機」を前面に出す方針ではないことから、当分は費用をかけて該当ワインに有機JASマークを申請することはせず、生産者のラベルがJAS法に違反していないかを注視していくこととします。取扱い生産者らが取り組みに参画し、取得している各国の認証から主なものを下の表にまとめました。* JAS=Japanese Agricultural Standard(日本農林規格)** 有機の認証体制等が国家間で実質的に同等であること。実質同等性が認められれば、一方の国の有機認証を他方の国の有機認証と同等のものとして取り扱うことができる。参考資料:『有機食品の検査認証制度について』(農林水産省大臣官房新事業・食品産業部食品製造課基準認証室)https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/attach/pdf/yuuki-508.pdf◆ 取扱い生産者が取得している各国・各分野の認証より ◆● ● サステイナブル認証 ● ●化学肥料の使用を必要最低限に抑え、水資源の管理や植物多様性の保全を通じて、環境負荷を軽減し、持続可能なビジネスモデルを推進する。Sustainable Winegrowing Australia(オーストラリア)Sustainable Winegrowing New Zealand(ニュージーランド)LIVE Certified Sustainable(アメリカ、オレゴン州)California Sustainable Winegrowing Alliance(アメリカ、カリフォルニア州)LODI RULES(アメリカ、カリフォルニア州ロダイ)Wine of Chile Certified Sustainable(チリ)BODEGAS DE ARGENTINA SUSTAINABILITY(アルゼンチン)Wines of Alentejo Sustainability Programme(ポルトガル、アレンテージョ地方)● ● オーガニック/バイオダイナミック認証 ● ●畑と環境に配慮し、化学肥料や農薬を使用しない。さらにバイオダイナミック農法は、畑全体を自給自足する一つの生態系と捉え、自然のリズムに沿って栽培を行う。BioGro New Zealand(バイオグロ): 1983年発足のNGOによる、ニュージーランドで最も規模が大きく最も厳しい有機認証。作物の栽培環境だけでなく、携わる労働者の人権への配慮などの条件も含まれる。ACO - Australian Certified Organic: 2000年発足、オーストラリア最大の有機認証第三者機関による認証。SAG Certificación de Productos Orgánicos: チリ農業牧畜庁(SAG)による有機認証。2009年運用開始。Certified Organic by ODA (Oregon Department of Agriculture): 米国の有機法 USDA National Organic Program(NOP)に基づきオレゴン州農務省(ODA)が発行。2009年運用開始。ECOCERT(エコサート): 1991年、フランスの農学者らが設立した第三者機関による有機認証。食品の他、化粧品、洗剤、繊維製品なども対象。Euro Leaf(ユーロリーフ): EUが定める有機農業の基準を満たしていることを示す認証。2010年義務化。demeter(デメター): バイオダイナミック農法で生産されたことを保証する認証。1924年コーベルヴィッツ(当時ドイツ、現在はポーランド)でのルドルフ・シュタイナーの「農業講座」に続き、1928年に最初の基準を策定、デメターのシンボルと商標も登録された。● ● その他の認証 ● ●International Wineries for Climate Action: 気候変動に取り組む国際ワイナリーアクション(NGO)。2019年設立。世界13ヶ国177以上のワイナリーが参加。参加ワイナリーは2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減、2050年までにネットゼロ達成を目指す。TOITŪ Net Carbon Zero Certification: トイトゥ・ネット・カーボン・ゼロ。ニュージーランドを拠点に、産業界におけるカーボン・ニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、全体でゼロとする)を促進・支援。2019年運用開始。1% for the Planet: アウトドア用品メーカー、パタゴニアの創設者らが2002年に設立したNPOで、収益の1%を地球環境のために寄付する活動を行う。現在、世界で3400社以上が参加。B-Corp Certification: 地域社会や消費者、従業員、環境すべてにとって「良い」営利企業のあり方を提唱する米国のNPO “B Lab” による、企業の公益性を示す認証。2006年に始まり、世界70ヶ国以上3000社余りが取得。Telarc Registered Environment ISO14001: 国際標準化機構(ISO)が策定するISO14001環境マネジメントシステムのTelarc(ニュージーランドの第三者機関)による認証。