オレゴン・ピノ・ノワールの祖 ジ・アイリー・ヴィンヤーズダンディー・ヒルズに最初のピノ・ノワールが植えられたのは1965年。カリフォルニア大学デイヴィス校でブドウ栽培学を学んだ20代半ばの青年デイヴィッド・レットが、ピノ・ノワールにとって気候的な最適地はここに違いないという確信のもと、3,000本を超える切り枝を携え、カリフォルニアからこの地へやってきたのです。翌1966年、デイヴィッドはジ・アイリー・ヴィンヤーズを設立。オレゴンワイン産業新時代の幕が開きます。デイヴィッドと妻ダイアナは、春の霜害を避けられる十分な傾斜を持つ南向き斜面で、斜面上部の火山性土壌にアクセスでき、ブドウが十分成熟する気温も確保される、絶妙な標高の土地に最初の畑「ジ・アイリー」を開墾しました。ジョリー土壌*に代表される土壌、標高、微気候、実際の場所の選択など、綿密な研究に支えられ、ピノ・ノワールはオレゴンを代表する品種へと成長していきました。ジ・アイリーは開墾当初から有機栽培を実践しており、現在では所有する5つの畑すべてで有機認証を取得しています。同時に、生物多様性を重視した環境再生型農業**にも取り組んでいます。現在は息子で2代目醸造家のジェイソン・レットが、母ダイアナとともに共同経営者として創業時の哲学を受け継ぎながら、さらなる進化と改良を進めています。* ジョリー土壌:オレゴンを代表する火山性土壌。約1500〜1700万年前の玄武岩が風化し、鉄分を多く含む赤土が形成された。* * 環境再生型農業:不耕起・無灌漑・無施肥を基本とし、土壌や周囲の生態系を守りながら自然環境を再生する農法。単一畑ピノ・ノワールジ・アイリーでは5つの自社畑から「エステート・ピノ・ノワール」を生産していますが、最も標高の低いシスターズから最も高いダフネまで、いずれの畑も樹齢25年以上となり、それぞれの個性がワインにはっきり表れるようになりました。そのため2012年から、畑名を冠した5種類の単一畑ピノ・ノワールを少量ずつ生産しています(各195〜442ケース)。5つのワインはすべて同一の醸造方法で造られています。自然発酵小型発酵槽使用新樽比率12%17ヶ月熟成それによって、土壌、標高、斜面の向き、樹齢など、各畑の違いを純粋に表現しています。5つの自社畑❶ ジ・アイリー(Original Vines)標高:88–139m向き:南西〜南東向き植樹:1966–1974年ピノ・ノワール栽培面積:2.8haクローン:ヴェイデンスヴィル、ポマール、アップライトオレゴン・ピノ・ノワールの原点とも言える畑。綿密な調査を経て、この地に3,000本のブドウ樹が植えられました。「アイリー」という名前は、尾が赤い鷲の巣(Eyrie)があることに由来しています。❷ ダフネ標高:279–292m向き:西向き植樹:1974–1984年ピノ・ノワール栽培面積:0.6haクローン:ポマール巨大な岩盤の上に広がる、非常に浅い土壌の畑。風が強く冷涼で、厳しい環境のため房は小さく、凝縮したハーブや石を思わせる個性的なワインを生み出します。畑名は以前の土地所有者に由来しています。❸ ローランド・グリーン・ファーム標高:184–245m向き:南向き植樹:1988年〜現在ピノ・ノワール栽培面積:2.0haクローン:ポマール、ヴェイデンスヴィル深みとフィネスを兼ね備えたワインを生み出す、理想的な畑。近年植えられた区画では、将来的な気温上昇にも対応できる耐フィロキセラ性台木が使用されています。畑名はデイヴィッド・レットの父の名前から名付けられました。❹ シスターズ標高:75–112m向き:南向き植樹:1989年〜現在ピノ・ノワール栽培面積:1.6haクローン:ポマール、ヴェイデンスヴィルフローラルな香りが特徴で、果実香には土っぽさも感じられます。ピノ・ノワール、ピノ・ブラン、ピノ・グリの“3姉妹”から命名。現在は8品種を栽培し、実験農場として台木試験や継続的なモニタリングも行われています。❺ アウトクロップ標高:97–122m向き:北北東向き植樹:1982–2000年ピノ・ノワール栽培面積:2.0haクローン:ポマール、ヴェイデンスヴィルジ・アイリー・ヴィンヤードを見下ろす位置にあり、北東向きながらジ・アイリーからの反射熱によって暖められます。隣人が数十年栽培していた畑を2011年に取得し、2012年が初ヴィンテージ。畑名は丘の斜面に突き出た岩の露頭(Outcrop)に由来しています。