これまでにもご案内の通り、ヴィレッジ・セラーズはポリプロピレン樹脂製グラスラック「グラズマターズ」を独自に開発し、2018年よりグラズマターズ入りプラム・クリスタルグラスを販売、同時に「プラム・グラスレンタルサービス」でも活用しています。このたびプラム・グラスレンタルサービスをご利用いただいているお客様から、大変うれしいお声をいただきましたので、ご紹介させていただきます。はじめにパンデミックもようやく少し落ち着き、営業を再開した飲食店も増えてきた。ただ今後も新規開業はなるべく小規模でリスクヘッジを、という飲食店は多いのではないか。実際に、私の周りでもこの最近開業した店はカウンター席のみで料理人がサーヴィスを兼ねている、もしくはサーヴィス担当者を1人だけ雇うケースが非常に多い。加えて、星の数ほど飲食店があるこの国で生き抜いていくには他店との区別化が必要不可欠で、そのための重要なコンテンツの一つが「ペアリング」である。ペアリングを導入する店は最近ますます増え、寿司、懐石、中華でも専属のソムリエを雇ったり、料理長自らがソムリエの資格を取得して力を入れて取り組んでいるところも多い。ノンアルコール・ペアリングも見かける。ペアリング導入のメリットは、より料理に寄り添った飲料を都度用意することでゲストの満足度が上がる、料理内容に対してサーヴィス担当がより熟知する必要があるのでスキルアップにもなる、料理人とのコミュニケーションの機会が増える、などがある。一方、ある程度の知識と技量を持ったスタッフが必要、試作を含め開発に時間がかかるなどデメリットも考えられるが、最も大きな課題は、提供に必要な人手とグラスウェアの確保、その管理ではないだろうか。この課題解決に最も有効な選択肢の一つとして考えられるのが「プラム・グラスレンタルサービス」である。グラスレンタルの常識を変えたクオリティとサーヴィス 私がシェフソムリエを務めるレストランでは約10年の間に20回以上のワインメーカーズディナーを開催してきた。ワインファンなら一度は名前を聞いたことがある著名な生産者たちを招いてのメーカーズディナーは常に即満席の大人気企画である一方、グラスウェアの手配が毎回悩みの種だった。メーカーズディナーとなるとゲストひとりにつき6~7種類のワインを提供する。30名ほどのキャパシティのレストランでは200脚以上必要になることに加え、ワインの味わいによりグラスの形状を考えなくてはいけない。そのとき出会ったのが、プラムグラスレンタルサービスである。まず驚いたのが、取扱いグラスの種類の豊富さ。シャンパーニュはもちろん、赤ワイングラスはボルドー型とブルゴーニュ型の両方、グランヴァン向けのハンドメイドからカジュアルなマシンメイド、和食向けのステムのないタイプやデキャンタまでラインナップが揃っている。従来のグラスレンタルはせいぜいシャンパン、赤、白、テイスティング用のみだったので、この種類の豊富さは非常に魅力的だった。 そして最大の特徴は、使用後の洗浄が不要で、そのまま返却できること。イベントの規模が大きければ大きいほどグラスの使用量は増え、終了後の洗浄や拭き上げに非常に多くの人件費と時間が費やされることになる。この最も考慮すべき問題点をプラム・グラスレンタルサービスは全て解決している。もう一つ、使用前の拭き上げが必要なく、梱包を開けてすぐセッティングできることも大きな利点である。従来のレンタル品は、到着後検品を行なうと破損があったり、汚れなどもしばしば見受けられた。だがプラム・グラスレンタルサービスは、厳密な品質管理のお陰で汚れはほぼなく清潔な状態で、破損は数百脚に1脚あるかないか、その際も交換までの対応がとにかく迅速で、非常に助かっている。実際に私の勤めるレストランでもプラム・グラスレンタルサービスを利用するようになって以来、大人数のパーティーやメーカーズディナーでのゲストの満足度は大きく上がり、大口のワイン会のリピーターも増えたように思える。この高品質なサービスを可能にしているのが、レンタル時にグラスが収められている「グラズマターズ」である。グラズマターズは、グラスを出し入れする際の破損率を劇的に低下させることに成功した特別な構造のグラスラックで、そのまま食器洗浄機で使用できる。またバックヤードのスペースによってある程度組み換えができるので、空間の有効活用が可能になる。小規模店では、まとまった数のグラスを使いたいときにのみレンタルすれば、店舗にグラスの保管スペースを確保する必要がなくなるし、在庫を抱える必要もない。その都度レンタルをする手間はあるが、長期的なランニングコストを考えると効果的な選択肢ではないだろうか。おわりにコロナ禍は少しずつ収束し、外食産業に対するお客様の期待は高まっていくだろう。そうした中で他店とは異なるサービスを取り入れ、それを長所としていくことで、より顧客満足度を上げることができるはずだ。これは個人的な意見だが、これからは1つの店舗ですべての業務を抱え込む必要はないのではないか。小規模な店ならなおさら、より効率的、効果的に業務を行っていくためにも必要に応じてアウトソースをとってゆくことも考えうる手段だと思う。過ぎた時間は戻ることはないし、同じ時間を消費するのならより効率よく短時間で作業を終えるに越したことはない。プラム・グラスレンタルサービスはその大きな助けになるのではないか。いずれにせよこの画期的なサービスをより多くの飲食店に知ってもらいたいし、最後にこの場を借りて、このような素晴らしいサービスの開発に尽力してくださった皆様に心からお礼を述べたいと思う。朝倉達也氏 Mr. Tatsuya Asakura A.S.I. 認定Sommelier Diploma / J.S.A.認定ソムリエ・エクセレンスメゾン・ド・タカ芦屋 シェフソムリエ料理人から接客に転向。LE PONT DE CIEL(大阪)でソムリエを務めた他、GEORGE BLANC(マコン)、GUY LASSAUSAIE(シャスレー)など星付きレストランで経験を積み、2013年より現職。第9回全日本最優秀ソムリエコンクール本戦出場。《ヴィレッジ・セラーズより》ヴィレッジ・セラーズが輸入総代理店としてスロバキア製プラム・クリスタルグラスの取扱いをはじめたのは2015年。世界中の素晴らしいグラスが揃う日本で、競争の中に留まる戦略として考え出したのが、プラム・グラスレンタルサービスです。機能的で多様な形状のグラスをマシンメイドとハンドメイドで取り揃え、1脚からレンタルできるサービスは他に類を見ず、コロナ禍以前は1日中配達に追われるほどでした。そのレンタルサービスを支えるのが、グラスラックの「グラズマターズ」です。運搬中のグラスの破損事故の多さを解決しようと独自に開発した製品で、繊細なプレミアムグラスを衝撃から守る優れもの。2021年現在、日本、中国、米国で特許を取得し、EUでも申請中です。