生産者紹介このたびニュージーランド、ワイタキ・ヴァレーの高評価プレミアム・ブティックワイナリー、Q WINE(Qワイン)の取扱いを始めます。ニュージーランドワインの主な輸出イメージが鮮やかな果実味主体のマールボロ・スタイルによって形成されてきた中、ヴィレッジ・セラーズはセントラル・オタゴやマーティンボローなどから確固としたストラクチャーを備えた個性あるワインをラインナップの中心に据えてきました。ワイタキ・ヴァレーには、それら産地ともまた異なるユニーク性があります。Qワイン共同創設者の一人、ジュールズ・マシューズ氏にも話を聞きながら、ワイタキ・ヴァレーとQワインについてまとめました。Qワインの取扱いを通じ、ニュージーランドワインのさらなる多様性をご紹介できればと思っています。ワイタキ・ヴァレーワイタキ・ヴァレーは南島カンタベリーとノース・オタゴの境界、ワイタキ川沿いの北向き斜面に位置し、2000年代初頭に栽培が始まった新しい産地です。近年ニュージーランド国内だけでなく、国際的にも関心が高まりつつあります。■ 特徴的な石灰岩土壌まず特徴的なのは土壌です。ニュージーランドの多くの産地が火山性や砂利、沖積土壌を基盤とするのに対し、ワイタキは約3,800万年前の海底が隆起して形成された淡い色調の石灰岩質です。同国で石灰岩質土壌が地域全体を特徴づけている産地は稀です。ワイタキ・ホワイトストーン・ジオパーク。ユネスコ世界ジオパークにも認定されている。■ 強風の吹く冷涼な海洋性気候一方で、風が強く冷涼な気候がブドウ栽培を困難にし、産地としてはなかなか発展しませんでした。水分の少ない石灰岩質土壌は春先に土中が温まりやすく、石の多く混じる北向き斜面の畑の土は夜間も太陽の熱を蓄えて暖かいため、ブドウ樹は早く芽吹きます。それゆえ芽吹いた後に霜や強風の影響を受けやすくなり、栽培は容易ではありません。これまでいくつもの大手生産者が進出を計画するものの、採算が合わず途中であきらめざるを得ませんでした。しかし、この環境こそが高品質果実を生み出します。ブドウは強風により収量は抑えられ、ゆっくり成熟が進むことで、酸を保ちながら豊かな風味を備えます。現在、総栽培面積は約50haと小規模ながら、高品質なワインを生み出す産地として注目を集めています。QワインQワインはこの産地の初期に設立され、現在まで継続して生産を行う数少ないワイナリーの一つです。Qワインを創業したジュールズ・マシューズとジュールズ・ステファンはともに金融業界出身ですが、ワインへの関心を共有し、2003年に土地を取得。2005年に約6haの畑を開き、ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・グリを栽培しています。2010年が初ヴィンテージで、産地の個性を明確に表現することを重視し、生産量は年間約2,500ケースと限定的に抑えています。名前の「Q」には、Quality(クオリティ、品質)へのこだわりに加え、ワイタキの景観の高いクオリティ、共同創立者ステファン氏の数理学専攻という背景を踏まえてエネルギーや連続性に関連するQuantum(クオンタム、量子)の概念の意味が込められています。加えてブドウ樹のツルの様子がアルファベットの「Q」の形に見えることにも着想を得ています。■ 経験に裏打ちされた醸造理念とワインスタイル醸造を担うのはアントニー・ウォルシュ。フランス、南アフリカ、ニュージーランドでの経験を経て、2012年よりQワインに参画しています。栽培はセントラル・オタゴ出身のティンボ・ディーカー。二人の経験に基づくアプローチは、テロワールの表現を重視した低介入ワインへとつながり、長年にわたりQワインの品質を支えています。ブドウは手作業で管理・収穫し、選果を徹底。発酵は天然酵母を基本とし、必要に応じて培養酵母を使用します。フレンチオークの使用は補助的にとどめ、無清澄・無濾過、添加物不使用、亜硫酸も最小限に抑えられています。こうして生まれるワインは、バランスと構造に優れ、早い段階から楽しめると同時に、熟成の可能性も備えています。■ 共同創設者ジュールズ・マシューズ氏より日本の皆さまへ「Qワインを通して大切にしているのは『繋がり』です。旧友との再会や親しい人との時間、そして新たな出会い――そうした場面で、ワインを通じて産地や造り手との繋がりを感じていただければと思います。」ジュールズ・マシューズ Jules Matthewsニュージーランドおよび海外の金融機関での15年のキャリアを経てワインの道へ。1999年ロンドンでの講座をきっかけに関心を深め、2003年に帰国後、ジュールズ・ステファンとともにQワインを立ち上げる。現在もワイナリー運営の中核を担う。左:ジュールズ・マシューズ氏(共同創設者)右:アントニー・ウォルシュ氏(醸造家)掲載ワイン#13471Qワイン ピノ・グリ 2024(スクリューキャップ)品種:ピノ・グリAlc.13.5%定価税込¥7,040 2005年植樹(4,000本/ha)、10%フレンチオーク樽で3ヶ月間熟成、無清澄。焼きリンゴの香りをネクタリンとショウガの砂糖漬けが引き立て、清らかで豊潤な果実が口中を満たす。2024年は過去15年間で2番目に暖かく、穏やかな年。#13470 Qワイン シャルドネ 2024(スクリューキャップ)品種:シャルドネAlc.14.4%定価税込¥8,030 2012年植樹(4,000本/ha)、手摘みブドウを全房圧搾、100%フレンチオーク小樽発酵、9ヶ月間熟成(新樽25%)、無清澄。白い花のアロマにパン粉、ショウガや白胡椒、バニラビーンズが複雑に混じり、長くミネラリーな余韻と調和。#13469 Qワイン ピノ・ノワール 2024(スクリューキャップ)品種:ピノ・ノワールAlc.13.1%定価税込¥8,5802005年植樹(5,000本/ha)。フレンチオーク樽で9ヶ月間熟成(新樽25%)、無清澄。ワイルドベリーやバニラの香りに、森の土やほのかなスパイス。フレッシュさとエレガントさを兼ね備えたピノ・ノワール。総生産量265ダース。