スワン・ヴァレーでワインを造る魅力私はもともとパースで育ち ワインと出会ったのは大学生時代です。 友達と 一緒に ピザと ワインを 飲むのが好きでした。 理系の専門分野で卒業した後 、鉱山会社に入社 は 葡萄の栽培について もっと興味を持ち2001年に 再度大学に入学し栽培学と醸造学を学びました。 そのあとワイン関係の仕事で アメリカ、 東オーストラリアの産地 などで働き、 やがて 故郷の西オーストラリア州へ帰還しました。 2009年から2019年の間ホートン・ワインズ・スワン・ヴァレー・ワイナリー (現ニコラ・エステート)で醸造家として働き、スワン・ヴァレーはもとより西オーストラリア州中のワイン産地を綿密に知る事が出来ました。スワン・ヴァレーではシャルドネやシラーズなど国際品種が多いですが、この地方の古いシュナン・ブランやグルナッシュの畑を見ると他の品種より一段元気で葉も青々と茂っています。これらの品種がこの地に合っているからではないかと思い、これらの品種をもっと活用したい、 さらに他の品種の可能性を探りたいと思いました。ブレンド(テンプラニーリョ、トウリガ、グルナッシュ)にフォーカスを当てた理由です。 オーストラリアは温暖な産地であるうえに、気候変動によりこれからさらに気温が上昇するでしょう。なので今までのように「プレミアムワインはフランス品種から」という考えから他の品種の可能性に視野を広げる必要があると思います。加えて私はオルタナティブ品種が好きです。フルーツ感、テクスチャー、複雑さ、旨味を兼ね備えたプレミア向上に貢献てきる事を目標としています。ヴィノ・ヴォルタの創立と名前の由来ライフ・パートナーのクリステン・マクガンとヴィノ・ヴォルタを創立したのは 2018年。この名前にはいろんな意味がありますが 一番よく使う説明はラテン語とイタリア語で「ワイン・タイム」。他には「 ワインの 復活 」という解釈もでき脱サラでワインがさらに自分達にとって 愉しい時間が増えたこと、また、私たちの醸造理念である「品質の良いワインをスワン・ヴァレーに復活させる」に掛ける事も出来ます。自社畑はお持ちですかヴィンヤードはリースで、現時点で7ha契約しています。これと言って拡大する計画は無いのですが、機会が訪れれば見直します。 新しい契約をする時は 自分たちが 気に入った畑を見つけた時と、保護したいと思う畑に巡り合ったからという場合があります。新しい スワン・ヴァレー開拓法(Swan Valley Planning Act)が2021年に施行されたことにより、スワンヴァレー内の 古いブドウ畑達はしばらく土地開拓を免れると思われます。興味をそそるヴィンヤードの特徴一番興味があるのは 小さな 古いグルナッシュの畑です 。スワンヴァレーで古いというと樹齢60年以上のものを指し、 中には100年、125年を超えるものもあります。グルナッシュは もともと収穫量が非常に多く、 50歳になった頃やっと収穫量が減り始め、品質も上がります。 そして地質も重要です。シュナン・ブラン に関しては樹齢50-65年畑が数多くあり 100年近いもあります。 そのほか30年前に 植えられたものあります。 変わった畑といえば 樹齢50年のシュナン・ブランのルートストックにカベルネを接ぎ木したものもありました。 その畑からはカベルネを取り除き シュナンブランを再生しました。 この畑はダーリングスカープの麓にある砂利が混ざった砂とコーヒーロック土壌の畑です。 シュナンには土壌の 特徴がよく出るので スワンバレーのローム 層と砂を多く含んだローム層では味が変わります。50-60年経っている畑はブッシュ・ヴァインです。 当初は棚に低く選定されていたのですが 月日が経ち棚が崩れ、ブッシュ・ヴァインになりました。収穫量は6-7t/haで、若い樹に比べると低いです。 この収穫量と 樹齢のバランスが 自分たちが求めている ワインに必要なのです。使う果実の選び方スワンヴァレーからの果実に フォーカスを置いていますが・、 西オーストラリア州のほかの産地からも 温暖化に適した 品種を 見つけては使っています。例えばハーヴィー・ヒルズ の ドルチェット。 いろいろな品種を醸造してポテンシャルを試したいけれど、新しいヴィンヤードを育てる時間がないというのがほかの 産地からも果実を取り寄せる 一番の理由です。またディファレント・スキンズ というオレンジワイン には レベルズとラミネートフロンテナック(マスカットあpedigreeん) と言う返事を使っていますが これらの品種は本来なら 冷涼地で明るい酸の鮮やかな白ワイン用に 栽培される品種です。しかし 3- 4週間のスキンコンタクトで味をしっかり抽出し タンニンとテクスチャーのバランス良いしっかりした興味深いワインになります。シュナン・ブランのテクスチャーがシャルドネに近い面もありますが、 旨みは独特な特徴の一つです。 旨みのおかげで 澱に触れながら熟成する事で ソルティーな長期熟成が期待できるワインができます。 シングル・ヴィンヤード・ワインとブレンド・ワインについてヴィノ・ヴォルタでは両方作っています。シングル・ブロックだとその畑のユニークさが出ます。 でも畑によっては収穫量が3-4tとかなり小さいのでブレンドする事もあります。 例えば ポスト・モダニズム・シリアシズム・グルナッシュは200mほど離れた同じ土壌の 二つの畑からの果実を使っています。両方とも樹齢60年です。醸造へのアプローチ冗談のうちの一番のこだわりは過去20年の醸造経験の中で培ってきた天然酵母による自然発酵という技術です。ブドウ以外の余計なものを足さないことにも工夫しています。例えばタンニンはスキンコンタクトの時間を長くし全房発酵することで色素や味のを多く抽出し複雑で旨みのあるワインを目指します。赤ワインは清澄しません。白ワインに関しては豆の蛋白を少量使って清澄するので、ワインはヴィーガン・フレンドリーです。発酵後とほとんどのワインを9-12ヶ月古い300-500Lの樽で熟成します。一番若い樽で5年目で、ニュートラルな味わいに仕上げています 。旨みはあっても樽の特徴を出さないワインになります。そうしてもう一つのこだわりがペットナットです。私にとってこれが一番果実のありのままを表現するワインだと思います。 完全に無酸素の状態で 発酵し、 瓶詰めをした後も発酵が続きます。 ほかのワインは SO2を出しているので ナチュラルワインの定義に 当てはまらないとも言えますが、このスタイルはSO2無添加です。スワン・ヴァレーのこれから引き続きシュナン・ブランとグルナッシュの 品質向上に力を入れていく必要があります。ボディがやや軽めでもテクスチャー・旨味・複雑さがのバランスが求められます。そして 将来欠かせない取り組みは 温暖化に適した品種を積極的に取り入れていくことです、品種の多様化により、自分たちを含むスワン・ヴァレー内のワイナリー達がジェネリック・ワインから テロワールを表す ユニークな スタイル へ進化するに欠かせないでしょう。