◆アメイジング・サイト・プロジェクトとは?南オーストラリア州マクラーレン・ヴェイルの名門ワイナリー、ダーレンベルグの「アメイジング・サイト」は他に類を見ない単一畑プロジェクトです。創立100年に当たる2012年より、19の畑のシラーズとマクラーレン・ヴェイルのサブリージョン3地区のグルナッシュをそれぞれ別々にボトリングしています。これらはすべてダーレンベルグのフラッグシップ・ワイン「デッドアーム・シラーズ」のブレンドに用いられるワインで、各畑別にリリースされたワインから、土壌、地形、標高、海からの距離、樹齢栽培方法などの違いによる果実の個性を知ることができます。このプロジェクトを手掛けたのは土壌・地質に精通している、4代目栽培家兼醸造家のチェスター・オズボーン氏。アインシュタインを思わせるワイルドなロン毛に、目が回るような派手なシャツがトレードマークのエキセントリックな人物で、畑では最小限の介入と伝統的な醸造方法を保持する一方、現代美術を好み、推進しています。2017年にはワイナリー敷地内に「キューブ」という巨大なルービック・キューブに似た、レストランと美術館を兼ね備える奇抜なセラードアを建設しました。◆リモート・セミナーに踏み切る本来ならば、こんな魅力溢れるチェスターを日本に招き、本人から皆さんに2010年アメイジング・サイトの全ワインを紹介してもらいたいところですが、2021年1月時点では海外旅行はおろか国内でワインセミナーを開くことさえ難しい状況でした。そこで弊社ではリモートによる小規模ワインセミナー(英語のみ・通訳なし)を企画。これまでの海外ワインメーカーとのズーム・ミーティングの経験と、2018年に弊社が国内で食品添加物として認可を得た不活性アルゴンガスを使えば、遠方のお客様に小瓶に詰め替えたアメイジング・サイトのワインをベストな状態で送って開催できると考えたのです。チェスターは当初、ヴィンテージワインを詰め替えることで繊細なアロマが飛んでしまうのでは、と危惧していましたが、弊社はこれまでの経験から、慎重に作業を行なえばワインの特徴を失わずに詰め替えできると確信していました。◆小瓶ワインでの試飲は大好評こうして、2021年1月14日、バイヤーやソムリエ全7名の皆様とともに、リモートで小規模ワインセミナーを行いました。初の試みでしたが、結果、銀座イベントスペースでワインボトルからサーヴしてテイスティングされた方も、遠隔地などで小瓶ワインからテイスティングされた方も、皆様にこ満足していただけるイベントとなりました。弊社においても、アルゴンを使用した特別な詰め替え方法ならば熟成ワインでも質を保ったままお届けできるという実証ができ、アルゴンの可能性にさらに自信が持てました。これをきっかけに弊社では小瓶ワインを用いたサンプル・キャンペーンを行い、現在は小瓶ワインの商品化に取り組んでいます。なお本セミナー後のアンケート調査で「次回はもう少しゆっくり(時間に余裕を持たせて)開催してほしい」というご意見を頂きました。これはもっともなご指摘で、そもそも現地のセラードア(キューブ)では、アメイジング・サイト・テイスティングをリクエストすると、6アイテムのワインを2時間かけて楽しみます。ところが今回のセミナーはプロフェッショナル向けだったこともあり、単一畑シラーズ11アイテム、サブリージョン・グルナッシュ3アイテム、さらに2010年デッドアーム・シラーズの計15アイテムを知分間に詰め込むという超ハードスケジュール。また日本にワインメーカーを招いてじっくりとテイスティング出来る日が待ち遠しいです。本セミナーのまとめ(日本語字幕付き)%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FNdhI0oldqa8%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E